レコード針・カートリッジの探し方〜 一から始めるアナログオーディオ 〜 |
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小さいながらも根強い人気のあるアナログオーディオ市場ですが、これは一通りデジタルのハイエンドの音までを聴いた方が、「やっぱりアナログの方がいい音だわ」と思ってしまう結果なのでしょうか? 中古のプレーヤーを手に入れたり、押入れの奥から昔のプレーヤーを引っぱり出して、もう一度レコードの音を聴きたいと考えていらっしゃる方も多いかと思います。 ここではWeb Masterがレコード針やカートリッジの探し方をご指南いたします。 |
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0. レコード再生とは | |||
レコードは音の振動をレコード盤に刻んだもの(音溝)です。それをレコード針でトレースする事によって振動を再生し、カートリッジで電気信号に替え、アンプで増幅してスピーカを鳴らすことです。 | |||
1. プレーヤーで音を聴くために | |||
必要な物はレコードプレーヤー、アンプ、スピーカーとそれらを接続するケーブルです。レコードも必要ですね。 もちろんどんな物でも音は出ますが、それなりに良い音で聴こうとすると、それなりの物が必要になります。 CDの音はどんな再生装置でもそんなに変わり映えしませんが、アナログオーディオはその組み合わせによって出てくる音が大きく変わってしまう事が魅力の一つでもあります。 |
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2. レコードプレーヤーの種類 | |||
最近の廉価版のフルオートプレーヤーなら、フォノイコライザー(カートリッジの出力を増幅する装置)付の物がほとんどですので、そのまま例えばパソコン用のアンプ付スピーカーなどにつなぐだけでも音を聴く事は出来ます。 中古の物ですと、フルオートプレーヤーからマニュアルプレーヤーまで様々な物があります。 フルオートプレーヤーはスイッチを入れるとレコード盤の大きさに応じてアームが動き、針を落とし、再生が終わると自動的にアームが戻る物です。 演奏が終わるとアームが戻る機能のみの、オートリターンプレーヤーもあります。 マニュアル方式の物は全てを手作業で行ないます。針を落としたり上げたりするときにレコード盤をいためないような、オイルダンプの付いたプレーヤーもあります。 ターンテーブルの駆動方式も、ダイレクトドライブ、ベルトドライブ、リムドライブ等様々です。 ダイレクトドライブはモーターとターンテーブルが直結されていて、クウォーツなどでモーターの回転を制御する物です。 ベルトドライブはモーターとターンテーブルを特殊な材質のゴムベルトで接続して駆動する方式です。 リムドライブはゴムの円盤を使ってモーターの回転をターンテーブルに伝える方式です。 またアームの駆動方式も様々なものがあります。これらはレコード盤のトレースをいかに正確にするかという事によって発展した機能です。 いずれにしろ、モーターが壊れていなければ、現在でも立派に駆動すると思います。 ベルトドライブ方式の物は、ドライブベルトがいたんだり切れたりしている物もあるかと思いますので、交換したほうが良いでしょう。弊社のHPで扱っております。 回転数やアームの駆動等が正常ならば、後はカートリッジや針の確認となります。 回転数はターンテーブルのサイドに付いている、回転数確認のためのポツポツ等に蛍光灯の光を当てて確認できるものが多いです。これは蛍光灯の点滅数(50Hzと60Hzで異なります)とターンテーブルの回転数によってポツポツが止まって見えるように調整する物です。 それが無い場合は、ストロボスコープ等を使います。弊社のHPで扱っております。 レコードの回転数はSP盤の78回転/分(78rpmとも書く)、EP盤の45回転/分、LP盤の33.3回転/分、珍しい物としては16回転/分というのもあります。ほとんどのプレーヤーは45回転と33.3回転をサポートしています。 |
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3. アンプについて | |||
昔のアンプには大抵PHONO入力が付いていました。値段の高いものにはMCとMMの切替スイッチなども付いていました。これはカートリッジのタイプの違いによって出力が違うため(MM型の方が高出力)それとマッチングを取るための物です。 最近のアンプにはPHONO入力は基本的に付いていなかったりしますので、AUX入力に接続するためにはカートリッジの出力を増幅してやる必要があります。 この時使用するのがMCカートリッジ昇圧トランスやフォノイコライザーです。どちらも弊社のHPで扱っております。 AUX入力しかないアンプにMM型カートリッジの付いているプレーヤーを接続する場合は、プレーヤーとアンプの間にフォノイコライザーを入れる必要があります。MC型カートリッジの場合はMCカートリッジ昇圧トランス+フォノイコライザーが必要です。 また、アンプはプリアンプとメインアンプ(パワーアンプ)に分かれているものも多いので注意してください。 プリアンプは、カートリッジの出力やマイクの出力を適正に増幅するもで大抵はPHONO入力があると思います。メインアンプはその入力をスピーカーを鳴らすための出力に増幅する物です。 両方の機能のあるアンプをプリメインアンプとも呼びます。 プレーヤー、プリアンプ、メインアンプ、スピーカーの順につなぎます。 |
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4. スピーカーについて | |||
スピーカーもピンキリです。パソコン付属のスピーカでも聴けますが、やはりいい音で聴くためにはそれなりの物を用意しなければなりません。音の入口から出口までを一定のクオリーティーで揃えてやるのが、コストパフォーマンスに優れています。どれか一つ(プレーヤー、アンプ、スピーカー、ケーブルなど)が優れていても良い音にはなりません。 | |||
5. ケーブルについて | |||
スピーカーケーブルは出力に対して十分な太さのあるものを使いましょう。出力に対してケーブルが細すぎると(十分な容量がないと)音が割れてしまったり、ボリュームが出ません。また、抵抗によって発熱したり、火災の原因になったりしますのでご注意ください。 特にラインケーブルをスピーカーケーブルに使うのは良くありません。ラインケーブルはもともと小さな電力を伝えられる容量しかありません。(商品によっては大容量の物もあります) |
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6. カートリッジについて | |||
カートリッジはMM型、MC型、VM型、MP型、P型、SC型、IM型等メーカーによって形式が違ったりしますが、大きく分けると(出力的に)MMタイプとMCタイプに分けられます。 自分のプレーヤーについているカートリッジがどのタイプか分からない場合、見分ける方法の一つとして、カートリッジから針が外せて交換できるものがMM型、針とカートリッジが一体のものがMC型です(例外もあります)。 ほとんどのカートリッジが既に生産終了となっており、新しい物を入手する事は難しいでしょう。 プレーヤーはカートリッジ別売りタイプの物、最初からカートリッジ・針が付いているものがあります。 別売りタイプの物は、現在市販の全く新しいカートリッジに交換することが出来ます。MM、MC、などタイプにかかわらず交換可能です。 最初からカートリッジ・針が付いているものは、その形状によって交換可能なものと交換不可能な物があります。交換不可能な物は改造などをして使うしか手がありません。 交換可能かどうかは弊社のHPのFAQのページを参考にしてください。 |
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7. レコード針について | |||
カートリッジから取り外せる部分の総称を便宜的にレコード針と呼びます。 カートリッジ同様ほとんどのメーカー製レコード針は生産終了しております。ナガオカレコード針はこのメーカー針に対応する2000種類余りのナガオカ針を現在も生産しております。 1種類のカートリッジで使えるレコード針の形は基本的に1種類となります。 レコード針の検索は弊社HPのレコード針検索エンジンで、メーカー針番号、カートリッジ番号、プレーヤー番号等を入力することにより可能となります。 分からない場合は現物を送って頂いて調べる事も可能です。 |
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8. 周辺機器について | |||
ケーブルをはじめアナログオーディオを楽しむために必要な機材のほとんどは弊社HPで揃います。ゆっくりご覧になって、様々な組み合わせをお楽しみください。 | |||
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ナガオカレコード針ミニ知識 | |||
ナガオカレコード針の型番、例えば「28-270SD」という型番について説明します。 「28」はメーカー番号、ちなみに28はナショナル・テクニクスです。メーカーが違っても兼用できる針もあります。 「270」は針の形の違いです。同じ形の針はカートリッジに取り付けられますが、仕様によってカートリッジとマッチングが得られない場合もありますので、必ず正しい番号の針を使いましょう。 「SD」は丸針です(「SD」自体が丸針を現わす記号ではありません)。他に「28-270ED」という針があり、こちらは楕円針です。どちらの針も使用可能ですが、楕円針のほうが値段が高くなります。 ナガオカレコード針は全てダイヤモンド針です。サファイア針に比べて15倍〜20倍の寿命があります。 ダイヤモンド針の寿命は200時間〜500時間と言われています。レコード盤やレコード針のメンテナンスによって寿命は大きく変わります。 針にはLP用とSP用(78回転のレコード)用があります。 LP盤とSP盤では音溝の大きさが全く異なるため、LP用とSP用の針先の直径が異なります。 標準的にはLP用0.6mil(1mil=0.0254mm)SP用3.0milです。 SP用は3.5milや4.0milの針もあります。 SP用には鉄針もあります。 |